top
冷めた祭り

2002/10/27:久世紀弘







僕が通う専門では年に一度だけ、大きな祭りがあります。

丁度、試験対策後の… ほっと息を抜ける頃に。

そして生徒には二つの役割、アリーナとスタンドが割り振られます。

アリーナは舞台で踊りを、スタンドは外野で応援を、と。

祭りのくせしてこれは強制、その為の練習も半場強制。

この時点で僕は疑問に思っていました。

何故、やらねばならないのか?

資格を取りに入った専門学校… 他にしなければならないコトなど無い筈…

勿論、一般常識や専門的な知識は必要。

社交的でなくちゃいけない、それは解ります。

一歩専門から出れば、責任が付きまとい、人間関係の渦がありますから。

だとしても、祭りは関係無いと思うのです。

何故ならば、”祭り”だからです。

楽しみたい人だけが楽しむ。

楽しんでる人の邪魔をしてはいけない。

楽しみたくない人は他へ行けば良い、下手な干渉など無意味。

祭りとは本来、こういったモノだと思ってました。

いや、今でも思ってます。

行く、行かないは個人の自由です。

にも関わらず、練習させ、この祭りのTシャツ代を取り、場所を指定し、 授業の出席に数える、その仕組み。

ウチの学校はどうなってるのか、そう憤ってるのです。

「楽しめ」

担任や副担任からは良く言われます。

しかし、どう楽しめと言うのでしょうか?

強制される祭りに価値が?

無いです。

臨機応変に楽しむ前に、腹立たしさで反抗したくなります。

人間が出来てないんでしょう、それは自分でも納得しています。

では、学校側を認めるか… そうではないでしょう。

大人の決めた矛盾に従うのはウンザリです。

せめて根拠、目的だけでも納得させて下さい。



祭りの間中、一応アリーナへの応援等はしていました。

勿論、やる気はありませんから隣で話しながらの応援。

クラスの名前も知らない、もしくはそれ程親しくない知人に心のこもらない拍手を。

まぁ、この祭りへ来てしまった以上の義務として。

ですが、それが過ぎれば漫画を読んでました。

僕のクラスの最前列で友人三人、同時に漫画を読む。

…と、応援を無難にとしてるのにアリーナリーダーから怒られました。

「○○先生がブチ切れてるから、キチンとやって。」

冷めました。

萎えた応援すらする気も失せ、友人等と無表情で応援します。

ですが、限界。

階段を上がって、何処からも見えない場所へ移動。

つまり、応援せず、応援する人にも迷惑を掛けずに、時間を潰そうとしたのです。

これなら誰にも干渉されない、見えないコトは無いコト。

二十分くらいだべった頃でしょうか、先のアリーナリーダーが凄い顔で登場。

「何してるの。」

「速く戻れよ。」

この言葉を連発。

冷静でない彼に何を言っても無駄。

さっさと戻りました。

冷めます。

僕等は、来てやってるんですよ?

邪魔なら邪魔で放置して下さいよ。

自分達なりに楽しいコトは見つけられますから。

その後は無表情にただ手を叩いていました。

まぁ、やっぱりだべってましたけどね。

退屈だし。

”祭りは楽しむモノ”

全く、その通りです。

それを妨害してくれるのもどうかと思いますが。




さて、このまま終わると救いのない文章になってしまいますね。

なので、今日、「あッ!」と気付いたコトを踏まえて書きます。

とあるHPのとある人の言葉で、

「俺もお前も「参加者」だ。お客気分は死んでしまえ。」(一部改変)

良い言葉です。

つまり、参加者である以上”人を楽しませろ”といった所でしょうか。

確かに、僕はお客気分だったのかもしれません。

楽しければいいや、と”祭り”という言葉に拘っていたのでしょうか。

客では応援は出来ませんよね…

すると、楽しませろ… んー仕事ですか。

仕事か遊びか、と二通りしか出来ない不器用人ですが、これなら納得出来そうです。

次は仕事として赴きたいと思います。

仕事なので精一杯やりましょう、僕は楽しみませんが。

仕事なので給料貰いましょう、僕は嬉しい。

ん?

給料貰えない?

なんじゃそりゃ、駄目ジャン。