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2002年度「冬」我らが聖地

2002/12/31:久世紀弘







2002年12月29日。

30日の為の前夜。

僕等は結集した。

冬コミの為に!

いや… 主にエロの為に?

―――では、前回と同じくメンバー紹介から。




Regret:鋼鉄の筋肉、銃器を武装したメイド萌えを主とする毎回の主謀者。

パッソル:アニメ、漫画系なら誰にも負けない!放浪するマシンガントーク。

Daizo:最近痩せ気味、ウンコ!ウンコ!ウンコ!と連呼するBMオタ。

紀弘:一般人!一般人!一般人!! …萌え。



脳鯖:偶然に会った後輩、何か… 今回は不幸が重なったらしい。

中田(チュウデン):天然ゲーマー 途中参加、というより帰りから一緒。




ガガガガガガッ、ガガガガガガッ!

アメリカ軍のアサルトライフルが敵軍の戦車を襲う。



Daizo:「戦車には効かないよ。」

紀弘:「ぇ?」



ブォオオオオ〜

ドッ!!



紀弘:「あ…」

Daizo:「引かれた。」



「Battlefield 1942 Multiplayer Demo」初めてのプレイ。

…戦車に引かれる。

ワイヤード上で繰り広げられる弱肉強食の宴。

歩き、撃ち、乗り物を奪って適地へ乗り込む… そんな宴。

リアルキャラが真顔で馬鹿みたいに素直に動くのは必見であります。



紀弘:「うぉぉおおお!」



再プレイ。

今度は戦車に乗りました。

戦車なら装甲が厚く、そうそう容易く死にはしません。

砲撃も撃てますし、強い強い!

もぅ、これで怖い物無し! …な筈。



ブォオオオオ〜

ズドォオオオン!!!



紀弘:「な、何が…」

Daizo:「地雷。」



こんなコトを繰り返すコト二時間。

自軍の兵士を数十人僕のプレイで失った頃―――

程良い時間となり、Daizo宅を出てRegret氏の家へ行きます。



彼の部屋へ入ると前回とは様子が違います。

部屋の構想変換、模様替え。

ベッドは脚が長く下に物が置けるように変更され、

それによって引き出し等も収まります。

全体的に小綺麗になった感がありました。

彼の部屋に入って初めにするコト、銃の鑑賞。

徐々に徐々に増えていく銃は圧巻されるものがあります。

部屋にもこんな沢山――― ってアレ!?



紀弘:「こ、これ… なんですか?」

Regret:「いやぁ、高かったですよー」

紀弘:「これですか、例の200k(※1)とやらは…」

Regret:「えぇ、メイド服の方は別々にオーダーしました。」



MSN(※2)で話していた時は、てっきり200kの銃を買ったのかと思ってましたが…

そこにあったのは、身長143cmの等身大2Dな顔をしたメイドさん。

顔がリアル過ぎるのは嫌だとかで、3Dではありますが… 2Dっぽいです。

触るとプニ、プニと柔らかく、指の辺りなんてもう… ウフフフフフ…

………

……

えぇ、いわゆる… ダッチワイフ(※3)ですね。

でも、ご主人様の使い方次第と言いますか…

観賞用だって使えるというコトです。

彼のメイドフェチぶりが暴走してしまった品。

ちょっと、そのロリっぷりが羨ましい…



Regret:「ホールは入れられますが、入れてません。」

紀弘:「なるほど。」

Regret:「子供用のメイド服ってのがなかなか無くて…」

紀弘:「こ、子供用!?」

Regret:「まぁ、身長がコレですからね。」

紀弘:「靴も用意されてますね。」



この徹底ぶり。

愛でたい娘に何もする筈が無いのです。

メイド服はミニスカよりもロングが映えるという宣言もしてました。

長袖版は無かったそうで、夏服になってしまったのが残念だとか。

うむ、確かに納得できる哲学です。

僕としてはそこにライフルを持たせたいのですけど…



Regret:「手の方は曲がりません。それは600kとかで… いつか買いますけどね。」

紀弘:「駆動式で銃を持たせたいですね。でも、600kですか…」

Regret:「でも、そうすると全身シリコンになるんですよ。」

紀弘:「ほ、ほぅ…」



ここまで来ると防犯用の人形を買った方が早い気もします。

ですが、女であるコトと、少女であるコトが難しい。

モラルに反しているからです。

禁忌を侵しているからこそ映えるモノもあるというコトでしょう。



僕は本番までの時間”鋼鉄天使くるみ”(※4)漫画版を読み始めます。

いや… なんか、気になったし。

それに名前だけ知ってるというのも癪でしたし。

胸がでかくて胸きゅん♪ってどういうコトなのか?

胸が小さくて胸きゅん♪で無いのはどいうコトか!!

それを確かめる必要がありました。

こうして僕が一巻を読み始めていると、

Regret氏、Daizo両名はお笑いFLASHなんて見ています。

デカマリオには笑わせて頂きましたけどね。

こうしているとパッソルさん入場。

彼が持ってきたフルメタルパニック(※5)を再生させ、/ヽァ/ヽァすると24時。



Regret:「ジャンケンで勝った方が廊下で。」

紀弘:「じゃーんけーん」

パッソル:「ぽん」

紀弘:「(グー)」

パッソル:「(チョキ)」

紀弘:「廊下〜」



廊下で寝るコトとなりました。

勝ったコトは嬉しいけど、負けっぽ。

そういや前回もそうでしたっけ。

でも、前回は部屋が寒く身体に悪いから廊下にした訳で。

今回は部屋が寒く、廊下は更に寒いという状況。

大して変わらないでしょう、そう思い僕は玄関の目の前で。

極寒なのでジャンバーが脱げません。

一時間ほどは寝たと思うのですが、それ以降は寝付けませんでした。

鼻炎症が酷く、寝てられなかったのです。

集合時間を10分過ぎた辺りでDaizoが戻ってきました。

その間にRegret氏は黄金に輝く髪(※6)にジェルを付けています。

全部逆立ちました。

逆立つ金髪、紅のグラサン、広い肩幅、黒のコート・背広、ネクタイは銀。

こんなコト言うのはアレですが… もう、慣れました。

出来ればそのままモデルガンを持参して欲しい所です。

最近はオタの脱オタ化が進んでいるようですし。

ただ、間違ってもティーンエイジャーな服装にならない辺りが素敵です。



Daizo:「今回もお願いします。」

親父様:「あいよー」



Regret氏の親父様が前回と同じく車を用意してくれました。

もぅ、ホント感謝感謝です。

車のエンジンが暖まるであろう時間、コンビニへ向かい朝食を調達。

コロッケパンだけは避けましたけどね。

それと、必須である”ウィダーインゼリー・ビタミン”も。

一応家からビタミン剤は持ってきたのですが、ビタミンも必要ですから。

車での道程は前回と同じく高速でした。

親父様お得意のカーブ時に速度を急に上げる技を使いながら。

僕とパッソルさんは体重が少ないからか揺れまくりです。

その甲斐あって、アッという間に有明。

会場へは大体04:30くらいには着けたんじゃないでしょうか。

海に近いものですから、とてつもない突風が吹きます。

その突風に煽られたオタク達が、大急ぎで走ってる様が沢山見れます。

「馬鹿ばっか」という言葉(※7)に萌える奴らの気持ちを解った奴らの気持ちでした。

走りはしませんが、急ぎ足で最後尾へ。

ここからは持久戦です。

後は待つだけ。

いかに時間を潰し、体力を温存するか。

そしてこの日は極寒、突風、アスファルトは氷の様。

やばい。

予め100円ショップで簡易イスを買ってたパッソルさんとRegret氏は強者です。

反面、僕とDaizoは素で座るしかありません。

かなり… 冷たいのです。

まだ冷たいアスファルトから意識を逸らす為に朝食を取りました。

大体、二分くらいですか。

食べ終わるとまた極寒が。



ビュォオオオオオ



紀弘:「!! さ、さ、寒い…」

Regret:「マフラー持って来なかった…」



確か彼は部屋の中でマフラーを装着したいたのですが―――

どうやら外して、部屋に置いてきてしまったようでした。

しかも、背広のズボンは買い忘れたとかで夏用だそうです。

南無ー

僕は登山服のジッパーを上げ、備え付けの帽子を被り、紐を結び臨戦態勢へ。

こうすると直接の風だけは防げます。

寒いのは相変わらずでしたけど。

飯を食い尽くし、やるコトも無く寒い。

あんまりだったので、散歩をしました。

すると、建物の影に隠れるオタもいれば車で悠々と寝てる奴らまでいます。

車、ってのは許せません(※8)

十円傷でも付けてやりたかったですよ(んなコトはしません

一周すると大体、今回の顔ぶりが解りました。

前回も感じていたコトなんですが―――

脱オタを計っているオタが多い!というコト。

あくまで脱オタを計らない僕から見てですが、街で普通に歩いていそうです。

(オタクは普通に街を歩きますが、あくまでも概念としてのイメージです)

これにはちょっとビックリでした。

何か、取り残された感じです。

駄目ですか、中学生の頃の服を未だに着ているようでは!!

…無念。



戻って座っていると見知った顔が横を通りました。

ん?

何処かで見たような。



脳鯖:「うぃっす。」

紀弘:「おぉ、来たのか。」



案の定後輩でした。

元陸上部の勇士ですよ。

じゃあ元PC部の僕が何故陸上部の後輩を持ってるかなんて、僕自身解らないコトです。

まぁ、そんなもんですよね。

今では立派にリュックが似合う奴になりました…

まぁ、そんなもんですよね。

…僕のせいデスカネ。



脳鯖:「メルティブラッド、今から列んだら間に合いませんかね?」

紀弘:「んー厳しいなぁ。」

Regret:「今からだと大分列ぶね。」



渡辺製作所のメルティブラッド。

サークル自体が有名過ぎ、毎回激しい期待が寄せられ、

今回に関しては、かの名作「月姫」の対戦格闘。

列ばない筈がない―――

あぁ、やばいなーと思いました。

売り切れない筈がない―――



紀弘:「今回、俺等も諦めてるんだよ。多分無理だろうな、って。」

脳鯖:「そんな早くから列んでも駄目ですか。」

紀弘:「多分、ね… 誰も行かないみたいだし。」



かなりの諦めモードです。

夏コミで随分とやられたのを思い出しましたから。

あの時、切羽詰まった状態で入場しようとした朝―――

果てしなく続き、幅もある列によって館内に入れなかった想い出。

一つのサークルとはホント思いもよりませんでしたっけ。



脳鯖:「でも、やってみようかと思います!」



そう言って彼は遠く、遠く後ろの方へ行きました。

―――後から知ったコトですが、置き引きやら何やら大変だったそうです… 南無―――



開場二時間前くらいになった頃でしょうか。

Regret氏の紅サングラスが無くなりました。

暗闇の中目を凝らして探しましたが、発見出来ず…

落としたであろう場所から推測すると誰かに拾われたのでしょう。

普通…

拾ったら踏まれないであろう場所に移すとか、持ち主を待つとかってしません?

そのまま持っていく辺り、荒んだ精神してると思いました。

愚痴言っても仕方無いですけど。

無くした本人も悪いというのはありますが、むー

どんな時でもGIVE&TAKEじゃないんですか?

世界はLUV&PIACEですよ!!

さて、サングラスの後はトイレ騒ぎ。

10:00が開場で、09:00には自分の位置に待機してないといけません。

つまり、08:00くらいにはトイレでの列に並ばないといけない。

僕は08:30くらいになってからトイレに行ったのですが、間に合いそうになく断念。

悲しいです。

09:00からはずっと立ち話をして時間を潰しました。

そして開場。

長い階段を上って後ろを振り返ると凄い光景が見れます。

人の頭しか見えないと言いますか、ウジャウジャと蠢いているオタクが沢山。

圧巻ですよ。

競歩のイメージで進み、僕等は西館へ。

パッソルさんは進んで直ぐに東館の方へ向かっていました。

今回の目的はMaple Lea(※9)fさんの「ユラグソラ」(※10)を買うコト。

ならばそれを第一に列ぶべきだったんですが、途中で長蛇の列を発見。

任意ラジオ(※11)等を出してHIT中のTriumphal Records.さん。

その中でもRagnarok(※12)のドラマCDが購入リストに入ってました。

始発で乗ってきた連中より早い身なのに、既に数十人が列んでいる状況。

ここで逃したら買えなさそうです。

そう判断する前に最後尾に列んでました。

ですが、列んでから後悔しました。

時間。

通り際に買える程度であれば問題無いのです。

しかし、初めに列ぶサークルは重要です。

かなり、非常に!!

列んでいる僕の横をDaizoがニヤリと妙な笑いを残して消えます。

ぬぁぁ!!先を越されてしまいました。

このサークルは店売りで買った方が良かったか―――?

なんて。

そう思わせた理由に店員の手際の悪さが言えました。

それもその筈。

分厚い画集を何冊も買っていく客が沢山いるのです。

会話を多少聞き取っただけですが、凄いものがありました。

確か―――



店員:「よ、四万円になります… は、はい。これで、どうも。大丈夫ですか?」



相当買っていったのでしょう。

異様な光景――― 店員だってこんなの予想出来る訳がありませんし、

商品を慎重に、慎重に扱わざるを得なかったのでしょうね。

ちょっと同情しちゃいました。

4列に並んでいるにも限らず客の層が濃いだけに時間が掛かります。

20分くらい待ったでしょうか、何とか買うコトが出来ました。

このロスタイムは大きいです。

Maple Leafさんが混んでいるかもと危惧しながら西館へと向かいます。

実際僕がいたのは西館の外だったのです。

後少しで西館という時にDaizoと鉢合わせしました。



Daizo:「買えた?」

紀弘:「何とか。混んでたけどね。」

Daizo:「こっちは全部終わったよ。」

紀弘:「は?」



Daizoが廻ったのは壁際や誕生日席と言われる場所。

列ぶであろうサークルを20分程度で全て廻りきれるとは思えませんでした。



Daizo:「いやー何か音楽系空いててねぇ。」

紀弘:「Maple Leafは!?」



Daizo:「あーあっちの方は何か混んでたみたいだから早くした方が良いよ。」



マジで急いで。

泣きそうになりながら。

買えなければ何の為に冬コミに来たのかという問題になってしまいます。

基本的に「萌え歌>萌え絵>萌えゲー」という構造なんです。

エチィ奴なんて二の次、三の次!

むしろ要らんわぁぁぁあ!!

頼むから通してくれ… とは言わず、退け… キエロ… とブツブツ。

そして、そして―――

あぁぁぁ、列んでるぅぅぅぅぅ!!!



紀弘:「あれ?」

Daizo:「あれじゃないな、こっちだな。」



勘違い。

人集りは出来てましたが、列ぶ程じゃありませんでした。

もしかしたら、本人いるのかなーとドキドキしながら思いましたけど…

誰が本人かキョロキョロしてしまいましたけど。

(目がマジだったかもしれません、すみませんでした…)

まぁ…

以下妄想(※13)

紀弘:「あの、霜月さんでいらっしゃいますか?」

霜月:「はい、そうですが。」

紀弘:「ぼ、僕ファンなんですッ!」

霜月:「あ、そうでしたか。いつも私の歌を聴いてくれてありがとうございます。」

紀弘:「あの、あの、あの―――」

霜月:「?」

紀弘:「あぁ、もう… ホン―――ットに会えて嬉しいです、感激です!!」

霜月:「はぁ…」

紀弘:「…(緊張して硬直)」

霜月:「…(会話が止まり戸惑う)」

紀弘:「…(気まずい、気まずい、気まずい!!)」

妄想終了(実際は起こりえてません

…か、悲しすぎる。

いや、こうしなくて良かったですよ… ホント。

僕はヒッキーではありませんが、かなりのあがり症なんです。

大変なんです。

例え形式通りの会話だったとしても初対面のお方とは―――

ましてや一ファンとなってしまった場合は目も当てられません。

コンビニに来る客の様に無表情でいなければ…

無表情でいなければ…

(目がマジだったかもしれません、ホントすみませんでした…)

怖がらせちゃいけませんよね、怖がらせちゃ…

…はぁ。

取り敢えず、目的の物は買えたので一安心です。

後は何も慌てる必要はありません。

のんびりとこのイベントを楽しむだけです。

―――――――――

――――――

―――

って、時間が余ってるのは勿体ない。

そう思いませんか?

もしかしたら、買えないであろう物も買えたりするかも知れませんよね。



Daizo:「渡辺… 捜してみるか。」

紀弘:「場所は? 調べてきた?」

Daizo:「いんや。」

紀弘:「………」

Daizo:「西館、かな?」

紀弘:「取り敢えず、周りのポスターを見ながら捜そう。」



カタログなんて重くて持ち歩く人はいません。

そうなると自分でメモった紙切れが頼りになります。

僕等は、その紙切れにそのサークルをメモっていませんでした。

渡辺製作所のメルティブラッド。

手探りです。

大手サークルであるから位置的には壁際。

その壁という壁を全て見て回ります。



Daizo:「西館、東館共に――― 無いなぁ。」

紀弘:「ポスターが違うんじゃないの?」



一時間くらい捜して廻っていたかもしれません。

もぅクタクタに疲れました。

そこに。



Daizo:「!?」

紀弘:「どうしたん?」

Daizo:「今の人、メルティブラッドを買った人だけに配られる紙持ってたよ。」

紀弘:「んな紙あるの?」

Daizo:「技の名前とか書いてあった。」

紀弘:「つまり、その人に訊けば――― って居ないじゃん。」

Daizo:「ちぃ。」

紀弘:「ん? あそこに持ってる人もそうじゃないのか?」

Daizo:「あぁ、そうそうアレアレ。」

紀弘:「ん〜、んじゃ訊いてくるわ。」



ちょっと躊躇した後、その方角へ。

爽やかな眼鏡青年が居ました。

いや、ビックリ。

僕より爽やかだという辺りがホントに。

紀弘:「すみません、渡辺製作所の場所って何処か解りますか?」

青年:「ぇ? あぁ――― って何処だっけ?」

紀弘:「ははは。紙持ってるじゃないですか。」

青年:「いや、これは相方に買ってきて貰って――― って来た。」



相方らしき更に爽やかさんが現れ、ちょっとした談話に。

志を同じくする仲間、同志。

話も楽しいものでした。

良い青年達でしたよ。

うむ。



紀弘:「あっちだ!」

Daizo:「あっちか!」



ポスターは列の後ろの方にありました。

列ってのは長く、長〜く遠い場所まで続いています。

直線に列んでいたからそう感じたんでしょうけどね。



Daizo:「これなら、20分くらいで買えそうだな。」

紀弘:「んじゃ、その間他の買い物でもしてくるわ。」



こうして―――

11:30になる頃には購入リストの大半を買うコトが出来ました。

逆に歩く気力とでも言いましょうか、活力の減少が起きます。



Daizo:「ふぅ〜買った買った。」

紀弘:「あぁ、もうこのまま帰っても文句はねぇよ。」

Daizo:「だぁな。」

紀弘:「つかさ、腹減らない?」

Daizo:「減った減った。」



腹減り。

近くに売店があり、異色のカレー丼とやらを避けて購入。

怪しげなナン・サンドとやらを食べました。

でも、これって安い同人誌が買える値段…

いや、こんなコトは考えちゃいけないんでしょうけど。

なんか、ね。

腹が満たされると多少元気が出てきます。

この少し滲み出た元気をより一層強くする為にも栄養剤を飲むコトにしました。

既に足首が痛く、バックは重い状態。

何とか、これをはね除けて冬コミを全うしたい。

バックから出したのは―――

リポサルミン2000

タウリン配合の医薬品…

聞いたことありません。

いや、ホントに。

大丈夫かな、飲んで大丈夫かな?

怪しすぎるので成分と分量を見ます。

ビタミンB6… 6mg

―――?

カフェイン… 50mg

―――?

おかしいですね。

普通、栄養剤に入るビタミンって0.2mgとかじゃありませんでしたっけ。

僕の勘違いでしたっけ?

まぁ、いいや… これは良く解りませんし。

それよりも下のカフェイン。

ぇ、多…

多くありませんか?

僕が普段使ってるカフェイン剤だって48mgなのに!!(駄

まさか、栄養剤にカフェインがカフェイン剤並に入ってるとは思いませんでした。

意を決し、ゴクリと飲みます。

リポビタンDより味が薄いかな、って感じです。

臭いもちょい薄め。

効き目は特効薬という分類よりは、徐々に効く持続性でしょうか。

あくまで僕の実感、ですけどね。

ただ、眠いとは思わなくなりました。

=屍

そのまま東館へ。

西館は大体制覇したので、東館でエロでも堪能しようかと。

で、行ったんですが…

元々僕が好む絵柄というのが特殊(※14)なだけに、こう… 弾けられません。

―――と。



紀弘:「!?」

Daizo:「ん?」

紀弘:「ちょ、ちょ、ちょっと待って。」

Daizo:「何かあったん?」

紀弘:「あの、これ… 一巻は売ってないんですか?」

店員:「申し訳在りません、一巻は持ってきてないんですよ。」

紀弘:「そうでしたか… じゃ、この二つを…」



ニタァ〜

好きなエロゲーの同人誌をゲット出来ました!

一巻が無いそうなので、二・三巻を。

ちょっと間が空いてしまってますが問題在りません。

次に買えば良い話。

そう、また来ます! と。

「檸檬」っていうエロゲー(※15)なんですけどね、ちょっと… なんか… あぁぁぁあ!!

まさか同人誌が出ているなんて!!

その名も「檸檬読本」!!

くぁー嬉しい限りですよ。

に、しても絵が似てるのです。

雰囲気と言いますか…

ツボに、ツボにぃぃぃ!

―――後で知ったコトですが、シナリオも原画も共に本人でした―――

興奮醒めやらぬままに足は動きます。

次は何買おうっかなぁ、ヒッヒッヒッヒ。

ん?

何か、黒い…

黒い表紙に、モーラ…

モーラたんが。



紀弘:「ちょっ… あ―――!」

Daizo:「あれか…」

紀弘:「いや、そろそろ金が… そう、次。次来てまた見つけたら買おう。」

Daizo:「うぃ。」



ふぅ、強い理性を持てば何とかなるものです。

危うく獣になる所でした。

危ない危ない。

…ヴェドゴニア(※16)のモーラ(※17)本が売られているとは。

しかも、絵が好みの上に上手いとは…

そのサークルは去年の冬コミでもモーラ本を出していまして、

実のところそれを見た瞬間に買ったという痴態を犯していました。

今回は強い、ホントに強い理性のお陰で耐えられたのです。

良かった良かった。

―――その二時間後に買ってしまいましたが―――

あぁ、ここまで僕ばかり書いてますね。

これじゃ不味そうです。

僕だけが危険人物っぽいじゃないですか。

一緒にいたDaizoも同類にしてしまいましょうね。

東館だったか、西館だったかは忘れましたが…

欲しい同人誌がある、とのコト。

Daizoの話ではオシッコ好きのBMのお偉いさんの本、でした。

いや、良く解らないのですけど。



Daizo:「あーいたいた。」

紀弘:「え?」



そこにいるのは眼鏡を掛けた茶髪のカコイイ男性。

とても同人をやっているとは…

オシッコ本を描く様には…



Daizo:「ちょっと、見させて貰って良いですか?」



「あ… あぁ、どうぞどうぞ。」という了承を得て本を開くDaizo。

クックック

クックック…

そんな面白いのかと横から立ち読みに乱入します。

―――あーオシッコです。

好きなんだなぁ、というが伝わってきました。

凄く好きなんだなぁ、というのが。

LUV!

王道なのが何とも…

クックック

クックック…

…僕も好きですけどね。



Daizo:「んじゃ、コレ買います!」



「あ… あぁ、ありがとうございます。」と購入完了。

いやぁ、いい人でした。



紀弘:「普通の人だったね。」

Daizo:「そう、普通なんだよ。」

紀弘:「いい人だね。」

Daizo:「そうなんだよ。」



―――大真面目で人を褒めたのは久しぶりです。

15:00時。

集合時間になりました。

もう買うモノは買い、これでもかって満足。

金が無いからと前日に日雇いのバイトをした甲斐がありました…

やっぱ冬コミは20kは持っていきたいですからね。

Regret氏、パッソルさん、田中(デンチュウ)さんが順々に集まりました。

あれ、一人知らない人が―――

って違います。

田中(デンチュウ)さんとは去年の冬コミで一度会っていました。

忘れてたなんてそんなコト無いですよぅ。

彼は帰りの車だけ利用するという魂胆。

何とも腹黒い。

Regret氏の家で寝泊まりした挙げ句に車まで乗せて貰ってる僕以上です(よ)ね!!

…Regret氏、親父様、いつもいつもありがとうございます。

そんな感謝の言葉を考えたかどうか、僕は車の中で爆睡してしまいます。

隣からパッソルさんの止まることのないマシンガントークが聞こえました。



Daizo:「ありがとうございま〜すッ」

親父様:「いやぁ、あっはっはー」



Regret氏の家に着き、車を降りる際にお礼を言うのですが…

前回とは少し違う模様。

何か良いなぁ、と思えます。

親父様ばんざーい。

その後は皆で苦労の末買ったメルティブラッドで遊びました(ぉ








※1…(200k):200×1000=20万です。最近はしばしば「k」を使います。

※2…(MSN):MSNメッセンジャーの略。チャットツールです。

※3…(ダッチワイフ):良い子は黙って無視しましょう。大人の玩具。

※4…(鋼鉄天使くるみ):アニメ。際どい格好したアンドロイド女、のような。

※5…(フルメタルパニック):アニメ。ロボットで、う〜で、あ〜!? って奴。

※6…(黄金に輝く髪):冬コミ前日に金髪にしたとか。怖いです。

※7…(馬鹿ばっか):アニメ「機動戦艦ナデシコ」のホシノ・ルリが放ったと思われる強烈な口癖。

※8…(車):会場の近くでの駐車は禁止されています、モラル的にもね。

※9…(Maple Leaf):最近知ったサークルさん。絵と音楽を扱うらしいです。

※10…(ユラグソラ):上記サークルの中世西洋を彷彿させる初ソロアルバム。

※11…(任意ラジオ):世の中、知らないコトがあっても良いとは思いませんか?

※12…(Ragnarok):MMOネットゲームと言われる有名ネット型RPGです。

※13…(妄想):偶に、いや… しょっちゅう紀弘は妄想に浸ります。

※14…(特殊):意外と濃い絵や、デッサン調の絵が好きです。

※15…(檸檬):13cmの18禁PCゲーム「檸檬」 2年前に発売され一部に熱いファンが残る。

※16…(ヴェドゴニア):Nitroplusの18禁PCゲーム「吸血殲鬼ヴェドゴニア」
―――激しいアクションシーンやシナリオの良さはコンシューマーゲームを軽くあしらう。

※17…(モーラ):上記ゲームのヒロイン的キャラ、死ねる程可愛い。