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2002年度「夏」我らが聖地

2002/08/11:久世紀弘







待ちに待った夏コミ。

場所は都会の安らぎ、有明。

潮風香る緑豊かな聖地です。

では、話を続ける前にメンバーを紹介しますね。



Regret:毎回闇への街道を案内する主謀者、筋肉質な萌え系オタ(銃器使用あり)

眼鏡の君:赤のアルテッツァを操る熱き血潮の漢オタ(歌唱能力あり)

パッソル:サービス精神旺盛な漫画魔神、皮と骨の笑い系オタ(永続的会話能力あり)

Daizo:ネタに走る王道勇者、中肉中背のクラシック系オタ(発狂能力あり)

紀弘:悦に生きるSEGA宣教師、ゴボウ程度の肉な哀愁系オタ(黄昏能力あり)


MST:レトロゲームを愛するSEGA崇拝者、肉無しMIDI系オタ(耳コピ能力あり)

hosea:クリエイティブな奔り屋、枝の様な四肢を持つMOVIEオタ(編集能力あり)



電車から降りる頃、僕は腹を壊していました。

クーラーが冷え過ぎたのです。

トイレで用を足し、待ち合わせ場所へ行きます。

伝説の不味いうどん屋を背に控えるのはDaizoとRegret氏。

Regret氏が金髪の黒タック姿なのを除けば、僕らは一端のオタ集団。

僕を確認したDaizoが「プ」と嫌な笑いをします。

さして変な格好をしてる訳じゃないのですが…

それよりも、この日の為に金髪に染めたRegret氏が気になります。

また不良度が上がってるので、そろそろ危険かもしれません。



紀弘:「別人かと思いましたよ。」

Regret:「…ちょっと来て貰おうか。」

Daizo:「兄ちゃん言う事聞こうなぁ。」



理由も解らず、二人に肩を掴まれ連行されました。

これってオタク狩りって奴?

でもオタクがオタク狩ってどうするんだろう…

階段を上り、駅中から駅前へ。

てっきり電車に乗るのだとばかり思ってましたが、違ったようです。

路上駐車された赤のアルテッツァ。(車の名前はDaizoから教えて貰いました)

乗っていたのは… 命名、眼鏡の君(命名したのもDaizoです)





紀弘:「お邪魔しまーす。」

Regret:「んじゃ行こうか。」



車は発進、バックミュージックが大音量で流れています。

ダンスマニアに入っている”BOOM BOOM DOLLAR”という曲。

Daizo、Regret氏共にBM系が好きなのは知ってましたが、眼鏡の君も好きなようです。

ドンシャリのウーハーが響き、車のスピードメーターがオレンジに光ります。

が…

時間が経つに連れ変わる曲。

CDRに自分的Bestを入れたのでしょう、良い感じになって来ました。



眼鏡の君:「ががが、ががが、がおがいがー!!!」



運転しながら踊り歌う人。

助手席で民族音頭を踊るDaizo。

呆れて肩を竦ませるRegret氏と僕。

多分、この間違った環境が全てを物語っていたのでしょう。



Regret氏の家へ着きます。

待ち合わせが21:00、会場へ出発するのが4:30なのでまだ時間があるのです。

本来であれば直ぐにでも寝て、体力を温存すべき。



Regret :「そういえば紀弘さんはグロックが好きでしたね。」



そう言って取り出されたのはバレルを交換されたグロック17。

因みに、フレームもステンレスに交換済みです。

銃マニアなんですよ、彼。

当然モデルガンですが。

各々好きな事をしていましたが、眼鏡の君がRegret氏のPCでソフトをダウンロードしていました。

ラリアッ党の”こみっく大戦α”ってフリーの格闘ゲームです。

攻撃の派手さが凄まじく、ドラゴン殺し使いの彩が…

あぁぁん(はぁと)♪

でぇっかいの☆

…と、そんな中Daizoが逃げます。

”寝”に逃げられちゃいました。

Regret氏の家に居ては寝れないのは必須、仕方ないのでしょうか。

眼鏡の君さんもこの後直ぐ帰ってしまいました。

さて、時間にして22:00になるとパッソルさんの入場です。

眼鏡の君さんとは違い、彼とは前回の冬コミで顔合わせをしています。

漫画好きという事も身体に染み込む程に教えられました。

そんな彼が持ってきたのは”フルメタルパニック”のDVD版。

名前しか知らない作品でしたが、いざ見てみてみると面白い!

一見は百聞にしかず、なんて諺通りだったという訳です。

重火器の描写が上手いんですねぇ。

キャラクターはどうでも良かったりしますが(ぇ

ここで、腹が減りました。

いわゆる夜食って奴です。

近くのローソンで麦茶とコロッケパンを買います。

…腐ってました。

食べてる途中で気が付いたんですが、こういう時は人間「まぁ、いいや。」と済ませるもんです。

全部食べちゃいました。

…10分後…



紀弘:「腹が、腹がァ…」

パッソル:「ぉ〜大丈夫かぁ〜?」



こりゃいかん、マズイ、死にそうだ。

分身も膨張どころではなく縮こまってるんです。

もう駄目ぽ、なんて言いつつ耐えてみせます。

パッソルさん、Regret氏、僕の三人でこうして時間は流れていきました。

しかし、さすがに時間も時間になり、寝ようという話になります。

腹は痛いですが。

ジャンケンをして、誰がベッドで寝るかを争いました。

…いぇね、ベッドはRegret氏と決まっているのです。

ただ、クーラーの効いている部屋で寝れるのがもう一人なだけなんです。

そこで”誰か”が玄関で寝る訳ですが。

あちゃー

パッソルさんに冬コミ時と同じく、またもや勝ってしまいました。

彼は前回会った時も玄関で寝たんでしたっけ。

でもここは…



Regret:「んじゃ紀弘さんはベッドで寝て下さい。」

紀弘:「ぇ!?」

パッソル:「珍しいな、お前にしては。」



ちょっと意外。

その申し出は嬉しかったのですが、部屋で寝ると僕は凍え死にそうです。

ナンデスカ、20度って。

僕の部屋は常に30度って決まってるんです、死んじゃいます。

これ以上腹に刺激を与える訳にいきませんってばよ。

そこで、お断りしておきました。

玄関で孤独に…

そして3:00に就寝。

…4:00に腹痛で起床。

どうしようもないですね、これは。

4:30になるまでに、Daizo、眼鏡の君が玄関から無断進入。

朝食を調達しようと話します。

あぁ… でも、腹が…

あぁぁぁぁぁあ。

先のローソンでコロッケパンだけは買わないように選択。

梅おにぎり、高菜おにぎり、ビタミンCゲル?、リポビタンDという感じ。

酷く腹を意識した朝食となりました。

リポビタンDだけは後で飲むために残しておきます。

食べ終わり、準備が整った頃、Regretさんの親父様が起床。

親父様が車で送迎してくれるとの事なんです。

ワゴンに乗り込み、早朝の高速を楽しみます。

カーブ時に加速・ライン移動する親父様のテクにメロメロ。

つーかスピードメーターが”100”なんて3桁の数字に見えるのですが…

ハァハァ。

ですが、やはり腹痛は治るもんでもなく。

しかも睡魔まであります。

仕方なく秘蔵の品を出す事にしました。

カフェイン錠剤… 別名”眠れなくなる薬”

危険です。

これを飲むと胃がやられますから…

一応医薬品という扱い自体、信じられません。

まぁ、これを飲みます。

Daizoも欲しがっていたので一錠上げます。

さぁ、これで眠気も吹っ飛び、バリバリいけるんです。

会場までの道のり、怪しげなビルや車が見えます。

楽しいです。

薬の影響か少しハイです。

見えない物が見えそうです。

会場前で降ろして貰い、お礼を。



全員:「ありがとうございました。」

親父様:「………」



無言ですか、激しくナイスガイ。

この時点で5:00って所。

電車の始発組より速いのです。

しかし、徹夜組が多いのかもう… 数えたくない程にオタが沢山沢山。

早速列び、後は体育座りで待つだけ。

つーか、体育座りしてる奴多過ぎ… 尻痛くならないんですかねぇ。

当然、僕らは胡座の方向で。

一時間くらい談話しながら待っていましたが、退屈。



係員:「花壇に座っちゃ駄目ェエエ!!」



そんな声が掠れて、萌えェェな声が聞こえます。

男の人の必死な姿って、ス・テ・キ♪

花壇は格好の座り場所ですし、何人もそこで暑さを凌いでいました。

僕らは違う位置にいましたが、近かったので係員が見えたのです。



Daizo:「か、可愛い…」



係員の言葉に、Daizoが801に走ります。

可愛そうに…

我が友ながら哀れに思えます。

でも、こんな笑える事柄があっても暇なんです、暇。

気晴らしにDaizoとコンビニに行きました。

買った物は、コーヒー、ウィスキー

ぇ?

そんな… ねぇ?

………冗談、って事にしておきましょうよ。



Daizo:「熱ッい、熱ッい!」



楽しい奴です。

程良く身体が暖まり、且つ、Daizo持参の冷えピタで相殺します。

あぁ、そうそう。

彼はもう一つアイテムを持っていました。

梅しば。



紀弘:「酸ッぱ、酸ッぱぁ!」



僕らは何をしているんですかね。

一缶持ってきてしまったDaizoは強者です。

でも、これでカロリー、塩化ナトリウム、水、と必要な栄養素を補充できました。

これらのネタがあっても、まだまだ時間はあります。

開場は10:00ですから。

ふと他の3人を見ると… 寝ていました。

週刊アスキーも読んじゃいましたし。

そこで2回めのDaizoとの散歩。

確か… 建物を一周してから、トイレに列んだ記憶があります。

ホントにする事がなかったんですね。

持参してきたポカリスエットが凍ってなかったせいで緩くなり… 不味いのです。

むしろポカリは凍らない、と教訓を得ましたから。

…もう、オタクを見るのも飽きてきました。

如何に同士と言えどもバンダナ装備者数数え!は飽きます。

3回目の散歩。

Daizoが腹が減ったと言い、お好み焼き屋の列へ。

どうやら時間もそこそこ経ったようで、トイレに行く時間に危機感を感じました。

日陰の場所へ行き、速攻でDaizoはお好み焼きを平らげ、急いでトイレの列へ。

そう、この日は何処へ行くにも”列”があるんです。

コンビニですら、マックですら、トイレですら!!

んで… トイレは間に合ったんですが… 個室の方が詰まった…

………なんて、ぇーと、まぁ、そういう訳らしいです。

僕は”小”でしたから、犯人じゃ無いんですよぉ?

知らない。

勘弁して下さい、目端に茶色い物体が見えた気がしてしまった被害者です。

9:00になると、列んでいなくちゃいけないというルールがあります。

そこで、直ぐさま戻って一時間… ずっと立ってました。

時間が30分を切る頃、リポビタンDを飲みます。

これで完璧ッ!



司会:「これよりコミックマーケットを始めます!」



パチパチパチパチ〜

会場内に入るとこんなアナウンスが入ります。

早めに列んだ人だけはこのアナウンスが聞けると言う… うへぁ。

長々と書いてきましたが、これで漸く開場って訳です。

汗臭い空気が移動し始めるのですよ。



Regret:「それでは、俺はこちらですので。サラバ!」



歩き始めて早々、Regret氏は西館へ。

僕らは東館に用があるので違うルートを辿る事となります。

東館への道のり、競歩の勢いで歩きます。

走っちゃいけませんからね、走っちゃ。

そういえば、この時点でパッソルさん、眼鏡の君が消えていましたっけ…

何処行ったんですかね。



紀弘:「んじゃ、俺こっちだから、んじゃッ!」

Daizo :「オケィ!」



Diverse System へ一番初めに。

Daizoからも依頼されていたので2枚。

既に列んでいるかと思いきや、一人も居なかったり…

これはちょっと不思議でしたが、一番欲しい物がゲット出来たので良しとします。

後は雪崩式に…

そんなもんですよ。

安倍さんのサークルや、爆裂工房さんへ行ったりして。

8割型、というより東館での買い物が速攻で終わりました。

11:30にもなっていません。

既に汗だく、歩くのも辛いです。

しか12:00にDaizoと東館で落ち合う筈なのですが、まだ時間あります。

西館へ急ぎました。

kanoriを買うのです。

買うのですッ!

…5人の人集りがありましたが、難なくクリア。

kanonの実写MAD-MOVIEって奴らいしのですが、本人達が売ってました。

……もう自棄? って顔つきが印象的でしたね。



壊れた人:「さぁさぁ、見てらっしゃい、買ってらっしゃい。」

壊れた人:「学校のネタに如何かなぁ?」



その自分を捨てた心、素晴らしい!

一本下さい!!

…こんな具合に。

それでもま〜だ時間があります。

そこで。

コスプレ広場へ行ってみました。

脚線美の姉ちゃん達がカメラ小僧共にバシャバシャと白いの掛けられてます。

あぁ、可哀想…

あ、でもその表情は逝っちゃってたりします。

美人なんだけどなぁ〜 無念。

12:00、5分前に東館へ戻ります。

Daizoを探し始めました、推定10万人の中から…

この作業、きっついですよ。

ほら、今回一緒に来たメンバーって”オタ”な訳ですよ。

で!

この会場に居る人は皆”オタ”なんですよ。

つまり… 空気が同じなんですね。

服装も僕が一番冴えないのは解ってますが、それでも酷いもんです。

近所の魚屋さんに鰯を買いに行く服装です、あれは。

こんな同じ格好ばかりした集団からDaizoを見つける事はほぼ不可能。

しかも腹痛が酷くなってきました。

歩けなくなります。

10分間、所定の場所と思われる所で待機します。

が、来ない。

来ない。

来ない。

………酷いよ、Daizo。

その後も3時間近くDaizoを探す羽目になるんですが…

結局、Regret氏を含む全員の集合時間にならないとDaizoに会えないのでした。

…Daizoは東館の外で優雅にりっすんとぅーみゅーじっく、だったそうです。

ちょ〜っと、腹が立ちます。

まぁ、良いですけどッ!



勿論、Daizoを探す事だけに徹した訳じゃありません。

何事も行動あるのみ、なのですよー

トイレを探していました。

必死です。

必死ッ!!

ようやく着いたトイレは異臭が…

グッ!とフガゴッ!!と来る臭いです。 火を付けたら会場ごと吹っ飛びそうな大気。

そのトイレは断念… 並び続ける為の気力が持ちません。

ですが、ここで何やら面白い出来事が。



オタク:「ぅ… はぁッ… っ… ぁ。」

係員:「大丈夫ですか〜?」

オタク:「………」

係員:「どうしました? お腹痛いんですか!?」

オタク:「っ… (ごにょごにょごにょ) だ、大丈夫です。」



ぜぇぇぇぇったい、アレだ!

そりゃ臭いが籠もるのも道理。

でも、そこまで興奮しなくても…

………

…止めて下さい、お願いですから家で… ね?

次のトイレでは、先より列びましたが臭いは感じませんでした。

鼻が麻痺しちゃったのかもしれませんけどね。

用を済ませ、はいスッキリです。

もう、俺最高? みたいな。

ですが、加速装置が掛かったにも関わらず金がありません。

持参金は東館で8割方、西館でkanoriを買って終わりです。

悲しいなぁ…

後は飲み物を求めて彷徨いたり、係員に迷惑が掛からないように逃げたり…

…激しくオタ!!



Daizoを探して脚が棒になってきた頃、MSTとhoseaさんが現れました。

これにはビックリです。

彼らとは待ち合わせどころか、会うとさえ思ってませんでしたから。

MSTの受信装置は僕の電波を感じたそうです。

ちょっとすげぇ、と思ったり。

彼らと… 40分くらい立ち話をします。



MST:「そういえば筋肉さんはこないの? 前話していたー」



筋肉さんとはRegret氏の事。

一番てっとり速い説明かと思いまして。

肩の筋肉が僕の2周りくらい違いますし、ね。

そうこうしてるうちに、



紀弘:「んじゃそろそろ探しにいかないと…」



時間になりました。

3:00、5分前といった所でしょうか。

出かける旨を2人に伝えると、後ろから肩を叩かれました。

何奴!?



Regret:「その2人、高校の友達?」



Regret氏でした。

彼が筋肉さんですよーって説明したんですが、MSTはびびっていたり。

…まぁ、仕方なかったりするんですけど。

でも、格好良いですよ、彼(何



2人と別れ、Regret氏とメンバー探しを始めようとした矢先。

パッソルさんが駆けつけてきます。

そして、Daizo、眼鏡の君とメンバーは揃いました。

コミケ会場を出ると、Regret氏の父上様が既に仁王立ち。

待っていてくれたらしいのです。

早速ワゴンへ。

早朝より道は混んでいましたが、それでもめげずにスピードを上げようとする親父様。

車の中で、僕が持参してきたカフェイン錠剤を飲んでいなかった3人は爆睡。

Daizoと僕だけが常に起きていました。

眠いんですけどね、眠れない…



全員:「ありがとうございました。」

親父様:「………」



また… 無言ですか。

激しくナイスガイ。

僕らの夏コミはこれにて終わりました。





「朝だぁ朝だぁよぉ。速く起きないと、うもれっとで揉まれるぞぉ、 秋子さんにィ。トゥトゥトットットルットゥトゥ〜」

はい、ご一緒にッ!

野太い声でお願いします。

出来ればエコーとかエフェクトなんてやらを付けて下さると萌えます。

一部分聞き取れない部分がありましたが、それはご愛敬って奴ですね。

…って何? ですか?

Regret氏の家に戻った僕らはすることもなくダラダラしていたんですけどー

眼鏡の君が”いつものところ”で買ったゲームを取り出しますが、今一つインパクトがありません。

白目キャラも良いんですけどねー

考えてみたら面白い物買ってたんですよ、僕。

その名も、kanori!!

いやもう、最高ですね。

男がエロゲーの女性役を演じる… しかもオタ!

見てて笑いと失笑と、蔑み…

………

…ぇえ、まぁ、面白いんですッ!

僕、眼鏡の君、Daizo、パッソルさん… 大爆笑です。

今年、こんなに笑ったのは初めてです。

だって… 先の怪しげな言葉… あれが目覚ましだったら怖いと思いません?

朝の清々しい目覚めに、頭上から野太い男の声ッ!

笑いが止まりませんでした。

Regret氏以外…

………

不純なMOVIEは嫌いみたいです。

笑いネタなら何でも… じゃない所が、漢なんですねー

萌え絵に一途な所が、キャハ☆

(Regret氏には後で謝罪しました。)





全てが終わり家への道のり、電車に乗ります。

途中腹が減り、駅の売店へ。

…コロッケパンだけは選ばないようにしました。

体重が3kg減っていました。