池袋にて
2002/03/14:久世紀弘
今日はいつもより早く学校が終わった。
PC用品が無いことが気がかりだったのでそのままビックP館へ向かっていた。
PC関係の物が多く取り扱っている場所だ。
池袋の中では多分、一番大きなPC店だろう。
愛用のコートに両手を納め、トボトボと歩いていたのだ。
そう、俺は別に疚しい事なんてこれっぽっちも無かったんだよ。
(何買おうかなぁ。)
(アレはゲッチューだとしても、そもそもこれだけを買うというのも馬鹿らしいな。)
(ん〜。)
こんな事を考えながら歩いていたんだ。
それなのに、
「こんにちは〜」
俺の視線は一瞬(2.6秒)獲物を捕らえた。
美人!
厚底ブーツで汚れたアスファルトを「ポテッ」と蹴る、そんな仕草が愛らしい。
両手を後ろにし、少し気怠さそうな雰囲気。
少し顔を前面に差し出してるのは挑発だろうか。
取り敢えず… 可愛い。
そんな娘(推定年齢23歳!)に声を掛けられた!!
ショートカットというのもまた… 良い!!
しかし、寂しいかな… 俺もまた常識人。
世俗にまみれた池袋の実体を良く解ってる。
だから、速度を落とさずにトボトボと歩いていた。
そんな俺に気付いたのか、少し声を押さえ気味で、
「一時間五千円〜♪」
……み、耳元で囁くなぁ!!
嬉しいじゃないか!
更に言うと、そんな”アニメ声”で囁かないでくれ!!
俺か?
俺が悪いのか!?
アニオタにしか見えない俺が悪いのか!!!!?
酷いよ…
一応、礼(お辞儀)をして去りました。