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ホント勘弁

2002/12/14:久世紀弘







アルバイトをしてお金を稼ごう、冬コミの為に。

ってな訳でアルバイトをするコトにしました。

以前はイレブンのレジ定員なんてやってましたが訳ありでバックレですよ、ホホホ。

今回はもっと有意義なバイトをしたいものです。

そこで!

情報関係の勉強をしてる身としてはそっち系を狙うべきだと思ったのですよ。

決して電波系ではありませんので悪しからず。

エロ系の文章書けと言われれば書きますが、それもモラル的n(略

さて、兎にも角にも動かねばなりません。

某アルバイト情報誌、αη(仮)のNo.99を買いました。

大体今から一月までの短期で情報系を探します。

…無い。

無いのです。

あるとすればデータ入力くらいでした。

あれだけは目が逝きそうですし、良い噂も聞かないのでやりたくなかったのですが。

が…

背に腹は代えられませんし、お金欲しいですし。

思い切って昨日電話しちゃいました。



紀弘:「お忙しいところ申し訳ありません、αη(仮)を見てお電話してます。」

紀弘:「データ入力のアルバイトがあると聞いたのですが。」

腐店員:「ぁーアルバイトの方ですかぁ〜お電話番号をどうぞ。」

紀弘:「ぁ、携帯が無いので自宅になりますけど。0429…」

腐店員:「はい、では明日の …時にお待ちしております。」

紀弘:「解りました …時ですね、それでは失礼します。」



まぁ… こんな感じで緊張しまくりの上に礼儀作法を無視してしまいました。

アルバイトだしぃ〜(ぉ

問題は… 店員やる気ねぇぇぇぇぇ!!

寝起きですか?

それともデータ入力のし過ぎで生命活動微弱!?

先行き不安になりました。



そして今日。

いつものように友人が来て、PCでちょこちょこっと遊びます。

そうしながらも急いで履歴書を書き上げました。



紀弘:「今日って何日!?」

友人:「あ?14日だろうが。」

紀弘:「平成何年!?」

友人:「14年だっての。」

紀弘:「趣味特技は… 読書、インターネット、と…」

友人:「おぃおぃ。」



かなり適当な勢いです。

真面目に日時が解りませんでした。

第一、適当さは更にありますよ。

友人と別れた後、駅でインスタント写真を撮ったんです。

それをデパートの広場にてカッターを使って調整。

糊付け後、貼り付け。

さぁ、出来上がりました(何

…ぇ、いや… 前日までに写真が用意出来なかったんですよ(ぉ

そんなコトもあるのかなぁ、と。

(注:前日までには履歴書を完成させましょう…)



電車に揺られるコト数十分、目的地に着きます。

右手に持ったαη(仮)、右往左往する首。



紀弘:「何処だ…」



上京してきましたぁ!

田舎っぺ〜

いや、本気で道が解らないのですよ。

その地図から読みとるコトが出来るのは…



1.信号の数

2.駅名

3.駅から1kmは離れてるであろう場所に「マルイシティ」

4.↑の隣に「……路」

5.↑より2kmは離れてる場所に「…ビル4F」と書かれ、☆マーク。



!?!?!?!?!?

駅から出た瞬間に自分の位置が解らなくなりました。

全く目印が無いのです。

こりゃ参ったな、と思いながら真っ直ぐ歩きます。



紀弘:「すみません、ここら辺詳しいでしょうか?」

太婆:「いやぁ、私も解らないねぇ。」

紀弘:「そうですか、すみませんでした。」

太婆:「何処行きたいんだぃ?」

紀弘:「取り敢えずマルイシティってのを探してるんですけど。」

太婆:「マルイシティだったら、あっちと、そっちを真っ直ぐ行った所にあるよ。」



これだから、都会は…

同じ建物を幾つも建てないで貰いたい。

勿論、潔く真っ直ぐ進むコトにしました。



紀弘:「そうですか、それでは真っ直ぐ行ってみますね。ありがとうございました。」

太婆:「気ぃ付けてなぁ。」



なかなか面白い所です。

ですが、歩くのはそんなお婆様達だけではありません。

金髪に黒コートを着た下っ端さん達がウジャウジャと居ます(ぉ

オタにとって危険地域ですね。



大分行き過ぎたかな?と思った辺りでマルイシティを見つけました。

交差点の中央です。

どっち行けば良いかサッパリです。

このまま帰りたい衝動を抑え、何となく五感が当てにならない場所へ進みました。

一つ、二つ、三つ…

信号を数えて行きました。

地図があやふやですが、もし仮に合っていれば僕は正しい道を進んでいる筈でした。

奥へ奥へ…

印となるモノが何も無いというのは怖いコトですね。

取って喰われそうな感じがします。

因みに僕の肉は脂肪が少ないから不味いですよ。

…ガリフェチには気を付けなくちゃ。

下手したら、あんなコトやこんなコトまで…

うわぁあ、そんな… 逃げ、逃げないと!

ぁ、いや… 最近太って来たしな… もしかしたら… ブツブツブツブツ…



紀弘:「あのーここら辺で …ビルってありませんか?」

愛婆:「ぁ? ビル名までは解らないねぇ〜」

愛婆:「どれ、番地は何処だ?」

紀弘:「…の56の …です。」

愛婆:「番地的にはそこを… ほら、こっち来て。」

紀弘:「はいはい。ぉーここら辺ですか。」

愛婆:「…ビルってのがあるから、そこを右斜めに行けばあるから。」

紀弘:「ありがとうございます、助かりました。」



余りにも不安でして。

途中にあった八百屋の婆に声を掛けたんです。

ホントは道を訊くのにも、蜜柑とかを買うべきなのでしょうが…

何か”社交辞令”で買うのを躊躇わせる雰囲気がありました。

ウチの商品はそんなんで買う為にあるんじゃないよ!と言われてるようで…

非常に… 情熱的な人でしたよ。



紀弘:「…56… 56…」

偏爺:「………」

紀弘:「…ビル、…ビル…」

偏爺:「………」



ビルの前でウロウロする僕。

変態ですか?

これじゃ危ない人みたいじゃないですか。

独り言のようにブツブツと言って。

オノボリサンにも程があるってもんです。



紀弘:「あの、…ビルってここでしょうか?」

偏爺:「いや、ここは …TOPビルってんだ。」

紀弘:「ぁーそうでしたかぁ。」

偏爺:「行きたいのは何処?」

紀弘:「…ビルって所で、…56… 番地らしいんですよ。」

偏爺:「その番地ならここら辺だね、この裏側じゃないかな?」

紀弘:「ホントですか!!早速行ってみます、ありがとうございましたッ!」



紀弘:「裏、裏か…」

活娘:「あのーデータ入力のバイトの方ですか?」

紀弘:「あ、は… はい!」



わぉ!

迎えに来てくれたYO

やっぱ道解り難いしなぁ、そりゃ会社側が迎え寄越すよなぁ〜

良かった良かった。

…というか、良く僕がそうだと解ったものです。

やっぱオタだからでしょうか。



活娘:「私達もそうなんですけど、やっぱ道解らないですよねぇ〜」

紀弘:「……ぇ、えぇ… そうなんですよー難しくてねぇ。」

活娘:「さっきも他のグループが道に困ってたみたいで…」



同類でした。

そして…

B++は確定だな… うむ。

細い身体、目下までの身長、眼鏡、茶髪…

ごふぁッ!(吐血

か…

可愛いィィィィィィ〜

決して美人の部類ではありません。

しかし… その仕草や行動が自然なのです。

化粧もしてるか解らない… 非常に自由な印象を受けました。



優男:「そっちは見つかった?」

活娘:「うんん、駄目。」

紀弘:「この裏側にあるって話です、行ってみませんか?」



この可愛い眼鏡っ娘… もとい、女性と共に居る男…

ぬぅぅぅうんん!!

かなりの優男っぷりを発揮しております。

180まであるかと思われる身長、ふさふさの髪!

際どく甘ったるいマスク!

うわぁぁぁぁあ!!

こんなそのまんまなのが、か、か、彼氏ッ!?



こうして奇妙なPTが組まれ、僕等は進軍します。

僕の微妙な気持ちは置いといて。



活娘:「どうやら、裏側にも無いね…」

紀弘:「んー」

活娘:「もしかしたら、そんなビル初めから無いんじゃないの?」

紀弘:「いや、それだったらそもそも募集しないよ。」



その場を二周くらいはしたでしょう。

いい加減に嫌になってきました。

その名前のビルも、番地も無いのです。



優男:「ちょい電話する。」



携帯で直接会社へ電話したのです。



優男:「どうも、番地が違うらしい。」

活娘:「何それ。今更?」

紀弘:「ホントの番地は?」

優男:「…56… じゃなくて、…53… だって。」

紀弘:「打ち間違いかな?」



確かにテンキー上では隣に位置する数字ですし、あり得ないコトでは無いでしょう。

まぁ、何にせよこれで一歩進んだのです。

早速その番地を探しました。

ところが…



紀弘:「番地はあったけど、そのビルって無いじゃん。」



散々調べた結果、そのビルは存在しないコトが解りました。

正確なのが電話番号だけとは…



優男:「あのですね、今そちらへ向かっているのですが…」

活娘:「あのαη(仮)さんですか、今そちらで書いてあった会社に…」



こういう時、携帯があると便利だなと思います。

それに何か… 凄くカコイイのですよ。

更に言うのであれば!

眉を寄せて携帯に向かう眼鏡っ娘はことの他美しく…

「ok、ok」等と顔で合図する様が………

や、やば!

可愛いのですよ!(かなりどうでも良い話ではありますが…



活娘:「電話番号ですか?はい、090…」



はわわわわ。

僕の目の前で携帯の電話番号を言わないで下さいー!

何か聞いちゃいけない気がして5Mくらい離れました。

我ながらウブなコトです…



優男:「あ…」

紀弘:「どうしました?」

優男:「電話が繋がらなくなった。」

紀弘:「うわ…」

活娘:「ホント大丈夫かなー」



そこから更にグルグルと回り、僕はある仮定を立てました。

ビル名も違う、看板として出されている会社名も違う。

でも番地的には一致する建物を見つけた…

だとすれば。

新しく出来た会社で看板をまだ取り払っていない。

加えてビル名を会社の人が良く解っていない、です。

何故ならば電話で番地だけは確認出来ていたからです。

即ち。

この番地のこのビルの中に、目的の会社がある筈でした。

彼等に説明して、ビルの中に入るコトになりました。



紀弘:「4Fにその会社が無かったらどうしようか。」

活娘:「その時は帰ろうよ。」



エレベーターを上り、ドアが開く。

…違う会社でした。



紀弘:「参ったな、こりゃ…」

優男:「んー」



またそのビルの前にて会社に電話をします。



優男:「…ビルで合ってるんですよね?」

優男:「は? ……ビル、あぁここですか…」

優男:「では、αη(仮)誌に載っていた …ビルは間違っていたんですね?」

優男:「はい、解りました。ですが、……ビルの4Fにはありませんでしたけど?」

優男:「………」

活娘:「どしたの?」

優男:「バイトだから、店長に代わるだと。」

優男:「………」

優男:「………」

紀弘:「長いな。」

活娘:「何か怪しくない? もし893とかだったらどうしよう…」

紀弘:「そん時は逃げよう。」

優男:「あ、もしもし?」

優男:「ぇっとですね、4Fの方は行ったのですが… ぇ、5F?」



どうやら5Fなようです。

ビル名の間違い、番地の間違い、加えて階までもが違ったのです。

ここまで来ると「打ち間違えてしまった」では済みません。

何かあるに違いないのです。

暫し僕等は迷いました。

余りにも中に入るのが危険な気がしたのです。



腐女:『ねーもー』

腐雌:『だよねー』



その時、ビルのドアから二人の女性が出てきました。

ガラス越しで声までは聞けませんでしたが、どうせ大した会話でもないのでしょう。

茶髪でいかにも軽そうな… というかブスで乗る奴の気がしれませんよ。

そんな奴ら。



活娘:「あの、今 …の面接受けてきたんだよね?」

腐女:「そうだけどぉー」

活娘:「そこって5Fなの?」

腐雌:「そうだよ。」

活娘:「ねぇ、そこってどんな会社なの?」

腐女:「ぇ、説明受けてないの?」

活娘:「え?」

腐女:「そこがどんな仕事かの説明ー」

活娘:「電話ではデータ入力のバイトって聞いたけど…」

腐女:「ぁ〜」



そこで二人は顔を合わせて「ねぇ〜」なんてやってます。

見てるだけで吐き気がしました。

凄く… 関わりたくない人種です。



活娘:「そのバイトってどんなバイトか教えてくれない?」



尚も渋る二人に苛つきながらも迫ります(彼女が



腐女:「そこってぇ〜出会い系みたいなぁ〜」

腐雌:「そうそう」

優男:「あ、成る程。」

紀弘:「そういうコトか。」

活娘:「え? どういうコト?」

優男:「出会い系のBBSだよ、最近流行ってるんだ。」

腐雌:「じゃ、私達はこれでぇ〜」



出会い系のBBS。

簡単に言うと、騙して金を貰うのです。

いや… 違いますか。

サクラって奴でしょう。

会費を取る形の会員制BBSで良く行われるようです。

あたかもフリーの女性が居るかのような振る舞いをするサクラ。

知らないユーザーは自分に気があると大喜び。

モラルに反したバイトです。

一応浅い知識としては知ってましたが、まさかバイト募集に当たるとは…



活娘:「そ、そんなバイトだったんだ…」

優男:「どうする? 時給は悪くないと思うよ。」

紀弘:「書いてあった奴とは別の金額が出るんだろうね。」

活娘:「私は嫌だからね、こんなバイト。」

優男:「そう悪いもんじゃないと思うけどな。抵抗が無ければ、だけど。」

紀弘:「面接だけでも受けてくる?」

活娘:「嫌、私は嫌。」

優男:「どんな内容かは気になるな。」

紀弘:「駄目だったら、直ぐに拒否れば良い訳だし。」

優男:「行くだけ行くか?」

活娘:「………」

紀弘:「…ふぅ、んじゃ帰りますか。」

優男:「そうしよう。」



ビルから離れると、清々した気分になってきました。

何の為にここにきたのか。

交通費、履歴書の為に払った写真代。

全く馬鹿げてます。



活娘:「ホント、信じられないよ!世の中の悪い部分を見たって感じ…」

優男:「ははは、だから流行ってるんだって。」

紀弘:「何の為にここに来たのか、って感じだなぁ。」

活娘:「でも、面接受けなくて良かったぁ… 受けてたら履歴書も見られちゃうんだし。」

紀弘:「あ!そうかッ!そりゃ不味いよ。良かったわ、ホント。」

優男:「まぁ、あの場所見つけただけでも良いじゃないか。」

活娘:「そうだね、何か宝探しみたいな感じだったし。」

紀弘:「それもそうだね、ネタとしては最高だったよ。」

優男:「ネタかぁ〜」

活娘:「前向きなんだね。」

紀弘:「あぁ、自分日記サイトやってるんでネタとしては十分なんですよ。」

優男:「へぇ、そりゃ良いネタになるね。」

活娘:「騙されましたーってね。」

紀弘:「ははは。」

活娘:「それじゃ、ここでお別れだね。」

紀弘:「ぉ、ここは… あぁ、あっちいくと …駅前ですね。」

優男:「それじゃ、お疲れさまでした。」

紀弘:「はい、こちらこそ。お疲れさまー」

活娘:「お疲れー」



こうして彼等と別れました。

あの優男も接してると良い人間だと解りましたし、安心安心(何

でも… あぁ、可愛かっt(略

今回のコトは自分的にも勉強になったのかなぁ、って気がします。

お金も掛かりましたけどね。

何よりこうして書いてる時間が相当あったりするのですが…

それは、まぁ… 読者の方には気を付けて頂きたいという方向で。

所で。

僕がこれで帰ったと思いますか?

まさか、ねぇ?

バイトを見つけられなかったからと潔く帰る筈がありません。

牛丼!

牛丼が食べたくなったのです。

そこでホームまで来てしまった駅から離れ、牛丼屋を探しました。

出来れば吉牛が…

良いのですが…

………

障害となったのは人の壁です。

時間が時間だからかとんでもない厚みがありました。

更にカップル連れが多いので歩く速度が遅いのなんのって!

先のカップルは許せますが、歩いてる奴らは許せ〜ん!!

ちんたら歩くんじゃない、そう言いたいのです。

…臆病なので言えませんけど。

余りにも牛丼屋が遠く感じたので、妥協案を出しました。

ハンバーガーで良いや… って。

でも、出来れば普段とは違うモノが食べたい所です。

例えマックだとしても、てりやきバーガーなんてスタンダードに行きたくないのです。

そこで僕が注文したモノ。

グラタンコロッケバーガーセット(チョイス

ジンジャエールとポテトをそれぞれRで頼みました。

フフフ、グラタン好きなんですよ。

どちらかと言えばドリアの方が好きですが、シチューとかそれ系が好きなんです。

そして暫し待ち…



店員:「お待たせしました、グラタンコロッケバーガーセットになります」

紀弘:「はい、どうも。」



謎の日本語を使ってテーブルに運びます。

ポテトをチビチビと。

サクサクサクッ

うむ、ポテトだ。

ジンジャエールを。

グビグビ

まぁ、ジンジャです。

肝心のグラタンコロッケバーガー

サクサク

………

……



…またか…

また… 僕は…

やってしまった…

ロッテリアの松茸バーガーで懲りた筈なのに…

何故、松茸バーガーと同じ感じがするんだろう。

味が良く解らないのも、良く似ているよ…

おかしいな、そんな…

ロッテリアは変なモノ作っても、マックだけは普通だと信じていたのに…

コロッケはやはりロッテリアに軍配が上がるようです。

んで、家で何も喰わずに帰れば良かったと後悔したのでした。



飯はどうでも良いけど。

バイト真面目に考えんと冬コミに行けない…

データ入力… くそぉ。